こんにちは、調理師のfree lifeです。
先日お客様から、砂糖って色々あるけどどの砂糖が体にいいいの?
また違いはなに?
このような質問を受けました
砂糖と一言で言ってもさまざまな種類があります。
白いお砂糖や、茶色いお砂糖、さらさらのものなどいろいろです。
それでは、それぞれのお砂糖の違いは一体何でしょうか?
今回は白砂糖、茶色い色をした甜菜糖、そしてオリゴ糖の違いについてのお話です。
てんさい糖、オリゴ糖、白砂糖の違いは?
てんさい糖、オリゴ糖、白砂糖はどのように製造されどのような特徴を持っているのでしょうか。
ひとつづつ説明していきます。
甜菜糖とは
甜菜糖の原料となる甜菜(てんさい)(サトウダイコン・ビート)は、北海道で栽培され、3月中旬に種をまき、10〜11月頃に収穫したものが翌年の3月頃まで工場で製糖されます。
てんさい糖は別名サトウダイコンとも呼ばれる、甜菜から抽出できる砂糖です。
やさしい甘さやコクが特徴です。
また寒さに強い甜菜は寒冷地で栽培されるため、熱帯で栽培されるサトウキビから作られる砂糖より、てんさい糖は身体を温める効果があると考えられています。
てんさい糖の製造方法
- 収穫後に根と葉を切り離し製糖工場に運ぶ
- 根の部分を洗浄しスティック状にカットする
- 温水につけて糖分を抽出する
- ろ過して煮詰める
- 遠心分離器にかけて結晶と蜜分(液体)に分ける
- 蜜分はてんさい糖に、結晶はビートグラニュー糖や上白糖になります
切り離した葉は家畜の飼料や堆肥や緑肥として畑の土作りに生かされ、砂糖を抽出した後の根(ビートパルプ)は、家畜の飼料として利用されます。
糖液は蜜をふくんでいて、蜜をふくんだまま乾燥、製造するので、ミネラルが含まれます。
また、てんさい糖は砂糖の中で唯一整腸作用がある
ラフィノースというオリゴ糖をふくんでいます。
甜菜糖と白砂糖を比べてみた
- 甜菜糖は白砂糖より身体を温める効果がある
- 未精製なものは、ミネラルなどの栄養が残っている
- 腸内環境を整える天然のラフィノースというオリゴ糖を含んでいる
- 血糖値の上昇が緩やか(てんさい糖のGI値は65で上白糖はGI値109)
甜菜糖はオリゴ糖が含まれているためさっぱりした味がしてどんな料理にも合い、甘すぎないのも特徴です。
オリゴ糖とは
糖には、果物に含まれる果糖、脳のエネルギー源として使われるブドウ糖、そしてお腹の調子を整えてくれるオリゴ糖など色々な種類があります。
オリゴ糖の「オリゴ」はギリシャ語で「少ない」という意味をあらわしています。
そしてこれは、糖の数が関係しています。
糖類は、大きく分けて1個の糖から成り立つ「単糖」、単糖が2~10個結合した「オリゴ糖」、それより多くの単糖が結合した「多糖類」と3つに分類することができます
そしてオリゴ糖の名前の由来は、少ない数の単糖が結合していることからこの名前が付きました。
画像引用元https://www.pearlace.co.jp/know-and-fun/tips/post-42.html
オリゴ糖には、砂糖の成分「ショ糖」や牛乳に含まれる「乳糖」のように、お腹の中の消化酵素によって分解され体のエネルギーになる「消化性」のオリゴ糖と、消化吸収されることなく大腸まで届く「難消化性」のオリゴ糖があります。
そしておなかの調子を整えるオリゴ糖は一般的には、難消化性のオリゴ糖のことを言います。
オリゴ糖がビフィズス菌を増やす
人間が食べた物で消化、吸収できないものが食物繊維とよべれています。
食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の2つに分類できます。
あわせて読もう!
不溶性食物繊維にはセルロースやキチン等が、水溶性食物繊維にはイヌリンや難消化性デキストリンなどがあります。
食物繊維のなかの水溶性食物繊維のイヌリンが善玉菌のエサになって、ビフィズス菌などを増やすことは有名ですが、実は難消化性のオリゴ糖も善玉菌のエサになってビフィズス菌などを増やして腸内環境を整える効果があります。
また水溶性食物繊維の中にも腸内に生息するビフィズス菌のような腸内細菌の餌として利用されやすいものと、そうでないものがあります。
あわせて読もう!
白砂糖とは
白砂糖とは、さとうきびや甜菜(ビート)などの原料でつくられる砂糖のことで、別名上白糖とも呼ばれています。
作る工程は甜菜糖とほぼ同じですが、原料糖と呼ばれる結晶を取り出して精製し、何度もろ過を繰り返して不純物を取り除き、真っ白に仕上げていきます。
そしてさらに転化糖をまぶし出来上がったものが白砂糖です。
砂糖の主成分は、「ショ糖」という二糖類です。
このショ糖は、ブドウ糖と果糖が結合してできたものなの。
転化糖の成分もブドウ糖と果糖なんだけど、ショ糖のように結合しないで、ブドウ糖、果糖とで独自に存在しているの
つまりこういうこと!
ショ糖=ブドウ糖+果糖
転化糖=ブドウ糖と果糖
こんな感じです。
転化糖をまぶすことで砂糖の表面がきめ細かくしっとりとし、コクや風味が増すのも特徴のひとつです。
てんさい糖やオリゴ糖は糖質制限で痩せる?糖質ってそもそもなに?
糖質とは体のエネルギー源で「糖質+食物繊維=炭水化物」になります。
炭水化物の中の食物繊維は体内で消化吸収されないので、カロリーにはなりません。
糖質は消化器官で消化、吸収されると血液とともに体内をめぐり、1gあたり4kcalのエネルギーになります。
食事の仕方で糖質制限という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは糖質を摂らない事ではなく血糖値の急な上下を抑える食事の仕方のことです。
では本当にてんさい糖とオリゴ糖は、糖質制限に向いているのでしょうか?
ここで注目しなければいけないのがGI値です。
GI値とは炭水化物が分解されて、糖に代わるスピードをあらわした数値のことで、GI値が高いほど血糖値の上昇が大きくなることを表します。
なので、GI値が低い食品の方が糖質制限には向いています。
甜菜糖とオリゴ糖のGI値
GI値は低・中・高と3つに構成され数値で分類されています。
低GI食品とは、一般的にGI値が55以下の食品を指します。
低GI値:55以下 | 中GI値:56~69 | 高GI:70以上 |
白砂糖 | 110 |
てんさい糖 | 65 |
オリゴ糖 | 10 |
白砂糖に比べるとてんさい糖の数値は確かに低いです、しかし低GI値食品と言えるまで低くはありません。
それに比べると、オリゴ糖のGI値はかなり低いので、低GI値食品といえます。
あわせて読もう!
てんさい糖、オリゴ糖、白砂糖の糖質・カロリーを比較!
砂糖を摂取するときカロリーや糖質は気になりますよね!
それぞれ原料や特徴が違う砂糖ですが、実は原料や特徴が違うだけでなく、カロリーや糖質の違いもあります。
※食品100g当たり
カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
白砂糖 | 384 | 99.2 |
てんさい糖 | 390 | 97.5 |
オリゴ糖 | 190 | 75~85 |
上記の表で見ての通り、てんさい糖と白砂糖のカロリーにはほとんど差がありません。
しかし、オリゴ糖は難消化性なので、消化管でほとんど吸収されません。
そのためカロリーはなんと、砂糖やてんさい糖の半分しかありません。
次に糖質をくらべるとオリゴ糖はやはり一番低いです。
オリゴ糖はGI値や糖質も低くいため、ほかの砂糖よりは糖質制限に向いていますが、低糖質というわけではなく、あくまでも砂糖の一種ですので、摂りすぎには注意しましょう。
注意
一般的に売られているオリゴ糖は、純度100%の物は少なく砂糖が入っているものが多いです。
オリゴ糖を購入するときは、砂糖とオリゴ糖の割合などを確認することをおススメします。
まとめ
てんさい糖、オリゴ糖、白砂糖はそれぞれ原料や特徴が違うため、良い面や悪い面もそれぞれ異なります。
- てんさい糖はほかの砂糖よりも、ミネラルやオリゴ糖を含み、GI値が低めです。
- 白砂糖はカロリーや糖質が高いため、糖質制限には向いていませんが、グラニュー糖や上白糖などの種類があり、普段の料理には使いやすいです。
- オリゴ糖はカロリーも低く、GI値や糖質も低いため、糖質制限に向いています。
砂糖と言っても色々な種類があるので、それぞれの特徴をいかした使い方をするのが、美味しい料理を作ることにつながると思います。
あわせて読もう!
合わせて読みたい!砂糖のカロリー小さじ1でいくつ?少ないか計算方法と消費目安・糖質も確認!砂糖の種類一覧!特徴の違いは?カロリーや栄養・値段もチェック!