食物繊維


美容や健康のために食物繊維が必要と聞いたことがあるものの、具体的にどのようなものか知らない方は、多いのではないでしょうか。



実は戦後以降、食物繊維の摂取量は低下の一途をたどり、現代の日本人が不足しがちな栄養素のひとつとして問題になっています。



食物繊維といえば、便秘改善や肥満予防、コレステロールの低下など、さまざまな効果が期待出来る成分です。



どのようなものか知ったうえで、正しく摂ることが健康な体をつくる秘訣です。



ここでは、食物繊維の特徴や含まれる食品、1日の目安量などについてのお話しをします。



食物繊維とは?




食物繊維とは?




食物繊維とは、人間の体内で消化できない成分の1つのことをいいます。



昔は、体内で消化されないことから、役に立たない栄養素として見向きもされていませんでした。



しかしながら1970年代頃より、消化できないにもかかわらず、体内でさまざまな働きをしていることがわかり「第6の栄養素」として注目されています。



食物繊維は体内で消化されないから価値があるのよ!
詳しい事は後から説明します。




食物繊維の種類と働き




食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があり、特徴は異なります。



食物繊維のうち「不溶性食物繊維」は、名前のとおり水に溶けない食物繊維です。



一方の「水溶性食物繊維」は水に溶ける性質をもっています。



これらの食物繊維には、おもに次のような効果が期待できます。



①おなかの調子を整える




不溶性食物繊維は水に溶けずに水分を吸収しながら膨らむことで、便のカサをを増やし腸を刺激して活性化させます。



さらに乳酸機やビフィズス菌などの善玉菌のエサになって、腸内細菌を増やしお腹の調子を良くしてくれます。



②糖質の吸収をおさえる




水溶性食物繊維はネバネバしている形状をもち、腸内をゆっくり移動して、糖質の吸収を遅らせることで食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。



また腸内でゲル状になり、腸内の老廃物の掃除をしながらゆっくり移動します。



③コレステロールを低下させる




水溶性食物繊維には吸着性があるため、小腸でコレステロールや胆汁酸を吸収して、効率的に体の外に排泄させるための効果があります。



この様に食物繊維は大変すぐれた栄養素です。



しかしどちらか一方に偏っていたり、過剰に摂取しているとバランスが崩れて、体調不良をおこします。



たとえば不溶性食物繊維を過剰に摂取しすぎると、便のカサが大きくなりすぎて、腸内をスムーズに移動できなくなります。



さらにおおきくなった便が大腸内に長時間停滞することで、腸に水分を吸収されてしまい、硬い便になり便秘やオナラがたくさん出るなことにつながります。



食物繊維の1日の摂取量




食物繊維の1日の摂取量




それでは1日にどれくらいの食物繊維を摂取すればよいのでしょうか?



下記に厚生労働省が推奨する量を提示しています。成人男性では21g以上、成人女性では18g以上が望ましいとされています。



年齢等男性1日の(目標量)女性1日の(目標量)
0~5(月)
6~11(月)
1~2(歳
3~5(歳)8g以上8g以上
6~7(歳)10g以上10g以上
8~9(歳)11g以上11g以上
10~11(歳)13g以上13g以上
12~14(歳)17g以上17g以上
15~17(歳)19g以上18g以上
18~29(歳)21g以上18g以上
30~49(歳)21g以上18g以上
50~64(歳)21g以上18g以上
65~74(歳)20g以上17g以上
75以上(歳)20g以上17g以上
妊婦18g以上
授乳婦18g以上




食物繊維の食事摂取基準(g/日)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)より作成



食物繊維は足りていない




食物繊維1日の摂取量




日本人の1日の食物繊維の摂取量は、目標に達していません。



「平成30年国民健康・栄養調査」によると、ほぼすべての年代で男女ともに不足していました。



とくに20~40代といった世代が食物繊維不足のようです。



1950年頃は、1日20g以上摂取していたといわれていましたが、近年では穀類や芋類、豆類の摂取量の低下、また食の欧米化の影響もあり、食物繊維不足が加速しているようです。



食物繊維が不足するとどうなる




食物繊維が不足するとどうなる




 食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化によって便秘になりやすくなります。



その結果、痔や、大腸癌また、糖尿病などの生活習慣病のリスクも高くなります。



肥満予防効果




食物繊維の多い食品は、低カロリーの上に噛み応えのある食品が多く、食べた時の満足感があります。



そのため食物繊維の多い食事をとることで、肥満予防効果があります



よく食物繊維を摂りすぎるとどうなるの?と
質問を受けるけど、通常の食事では食物繊維の過剰摂取の心配はなく、むしろ現在の日本人は、食物繊維が不足ぎみなので、意識してとる必要があるのよ。




 



でもサプリなどの飲みすぎには注意してください。
飲み過ぎるとお腹が緩くなったり、体調不良を起こすことがあります。
またたくさん飲んだからと言って、健康になるわけではないので正しい量を守りましょう。




1日の摂取目標量と日本人の年代別食物センイ摂取量




水溶性 不溶性食物繊維のバランス




水溶性、不溶性食物繊維のバランス




食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。



どちらも体内で重要な働きがあり、その理想的なバランスは



「水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2」



しかしながら平均摂取量を見てみると、おおよそ1:3と不溶性食物繊維に偏りがちなのです。



あなたがもし便秘やガスでお困りの場合ならば、この様な原因が考えられます。



便秘やおならの原因



  • 食物繊維のとりすぎ(とくに不溶性食物繊維)
  • 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが崩れている
  • そもそも食物繊維が足りていない



食物繊維といっても



  • ペクチン
  • グルコマンナン、
  • イヌリン……



などといった、たくさんの種類があり、それらの特徴を知りバランスよくとり入れることが必要です。



イヌリンについても過剰に摂取したり、偏ってとったりすると、かえって下痢や便秘などになるといわれています。
最初から多量に摂取するのではなく、1日2〜3gを1〜2週間摂取して体を慣らしながら、徐々に量を増やしてみてはいかがでしょうか。



正しく使用すれば体にとっていいことだらけです。



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食物繊維が多く含まれている食品




食物繊維が多く含まれている野菜




100gあたりに含まれる食物繊維の総量が特に多い食品をみていきましょう。



●穀類



食品名食物繊維/総量(※3)
米ぬか20.5g
オートミール9.4g
ライ麦パン5.6g




●いも類



食品名食物繊維/総量(※3)
凍みこんにゃく(ゆで)15.5g
乾燥マッシュポテト6.6g
干しいも5.9g




●野菜類



食品名食物繊維/総量(※3)
らっきょう(生)20.7g
グリンピース(ゆで)8.6g
しそ(生)7.3g
よもぎ(葉/生)7.8g
ごぼう(ゆで)6.1g
モロヘイヤ(茎葉/生)5.9g
ほうれん草(ゆで)3.6g




●豆類



食品名食物繊維/総量(※3)
きな粉(全粒・黄大豆)18.1g
いんげんまめ(ゆで)13.3g
あずき(ゆで)11.8g
おから(生)11.5g




●きのこ類



食品名食物繊維/総量(※3)
干ししいたけ(ゆで)7.5g
エリンギ(ゆで)4.8g
まいたけ(油いため)4.7g




●海藻類



食品名食物繊維/総量(※3)
ほしひじき(油いため)4.5g
乾燥わかめ(水戻し)5.8g
焼きのり36.0g
削りこんぶ28.2g




(※3)食品に含まれる食物繊維の総量は、可食部100gあたりに含まれる量。「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」から引用。



同じ大豆製品でもきな粉やおからの方が豆腐より多く食物繊維が含まれています。また生のものより焼きのりや削りコンブなどのような乾物品の方がより多くの食物繊維が含まれていることがわかりますね!




でもどんなに乾物に食物繊維が多く含まれていても海苔や削りコンブなどを100gも食べるのは難しですよね!
そこで上手に取り入れるポイントを紹介します。




食物繊維を上手にとり入れるポイント




食物繊維を上手に取り入れるポイント




健康効果が期待できる食物繊維、積極的にとり入れたいですよね。



それでは食物繊維を上手にとり入れるためのポイントをいくつか紹介します。



1日350g野菜を食べよう




食物繊維といえば野菜ではないでしょうか。



食物繊維を意識して摂りたいときには、100gあたりの食物繊維総量だけにこだわらず、野菜、豆類、きのこ類、海藻類をバランスよく食事に取り入れるのが大切です。



野菜の1日の目標摂取量は350g以上といわれています。



しかしこの量は結構な量です。



そこで野菜やきのこ類はおひたしや具沢山の味噌汁やスープにすることでかさが減り、たくさん食べることができるため、より多くの食物繊維を摂ることができます。



サラダや和え物、スープ、みそ汁に野菜をたっぷり入れて、野菜料理を1日5皿を目標にとり入れてみてください。



温野菜にすることで結構な量を、ストレスなく食べる事が出来ます。



野菜の皮も食べよう




野菜の皮の部分には多くの栄養が含まれています。



食物繊維以外にもビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどが含まれていて、ごぼうは皮の部分にはイヌリンやセルロース、リグニンといった水溶性食物繊維が多く含まれています。



皮ごと食べられる野菜はなるべく皮のまま料理し、食物繊維を余すことなく食べましょう



主食を変える




普段私たちが食べている白米には食物繊維はほとんど含まれていません。



そこで普段のご飯に玄米や大麦などを入れた雑穀ご飯を食べる事で1日1~2g程度の食物繊維をとる事が出来ます。



また玄米や大麦は食物繊維の他にも、ビタミンやミネラルなどが豊富に含まれているので、是非積極的に取り入れてくださ。



主食を玄米や雑穀を入れたご飯にするとダイエットこうかもあります。




食品100g当たりに食物繊維が含まれる量
大麦
約10g



玄米
約3g



はんつき米
約0.8g



七分つき米
約0.5g



白米
約0.6g



文部科学省食品成分データベース参考



まとめ




食物繊維の1日の摂取量と効率よく食べるポイントのお話しをしました。



食物繊維には、便秘解消や満腹効果、など嬉しい働きがあります。



とくに血糖値の上昇をおさえる働きやコレステロールを下げる働き、肥満予防、など生活習慣病を予防する効果も期待出来ます。



しかし近年では日本人は食の欧米化の影響など色々な事が原因で、食物繊維摂取量は不足しています。



とくに水溶性食物は意識的に摂らなければ不足します。



今一度普段の食事を和食中心の献立にしてみてはいかがでしょうか!



和食は本当に素晴らしい食文化です。