ポリデキストロースとは?難消化性デキストリンと働きは違うの?結論 そっくり!


こんにちは調理師のfree-lifeです。

日々体にいい食品、食事、栄養のことを考えて料理を提供しています。

近年ではノンシュガーチョコレートや、低カロリーアイスがコンビニやスーパーでたくさん販売されています。

ダイエット中や糖質制限をしている方にはうれしいですね!

しかしなぜこんなことが出来るのでしょう?

食品成分表示を見ると、ポリデキストロースや難消化性デキストリンと記載されています。

今回は「ポリデキストロースの働きと難消化性デキストリン」についてのお話になります。

ポリデキストロースとは

1960年頃、アメリカではすでにサッカリンなどが食品に使用されており、低カロリー食品の需要が高まりつつありました。

そこでアメリカのファイザー社が「より安全で、食品にも使いやすい食品素材」の開発に取り組み作られたのがポリデキストロースです。

ポリデキストロースは、グルコース(ブドウ糖)、ソルビトール、クエン酸を原料とした安全な食物繊維です。

ポリデキストロースは、 元々は、賦形剤(ふけいざい)(成型、増量、希釈を目的に加えられる添加剤)として、食品中の油脂や砂糖との置き換え、総エネルギー量低下を目的(肥満の予防目的)に開発されたものです。

ポリデキストロースはグルコースがランダムに結合した難消化性の多糖で水に溶けやすい性質があり、消化酵素では分解されず、大腸で発酵され水溶性食物繊維と同じような効果があると言われています。

1981年アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)が食品素材としての使用を許可したあと日本では1983年に輸入が認められて、現在では多くの食品に使用されています。

無味無臭で1g当たりのカロリーは0のため、糖質をカットしたいクッキーやスナック菓子、飲料などの食品に使われています。

難消化性デキストリンとの違い

難消化性デキストリンとの違い

チョコレートやクッキーなどのお菓子に使われているポリデキストロース。

同じような働きがある低カロリー食品で「難消化性デキストリン」というものがあります。

ではこの2つにはどのような違いがあるのでしょうか。

ポリデキストロースは、グルコースとソルビトール、クエン酸を(80:10:1)の割合で混合し、高温度の真空下で反応させて製造されたものです。

そして難消化性デキストリンは、トウモロコシなどの穀類や熟した果物などから消化されにくい成分を取り出したものです。

難消化性デキストリンもポリデキストロースと同じく、水に溶けやすい性質があるため水溶性食物繊維に分類されています。

ポリデキストロースの働き

ポリデキストロースの働き




腸内環境の改善

ポリデキストロースは小腸で消化されず、大腸で大部分が発酵され、残りは便として排泄されます。

大腸で腸内細菌によって発酵されることで、酪酸などの短鎖脂肪酸を産生し、腸内環境を整える効果があります。

ポリデキストロースはコレステロールを原料としてつくられる、胆汁酸を便と一緒に排泄してくれるため、血中のコレステロールを減らす効果があります。

腸内で善玉菌を増やす一方で、発がん性物質の発生や悪玉菌の発生を抑制する働きもあります。

健康な成人120人を対象にした研究では、ポリデキストロース(0g、4g、8g、12g)を摂取した結果、摂取量が多くなるにつれて便の重量が増加し、糞便のpHが低下し、酪酸などの短鎖脂肪酸の生成が増加したと報告されました。

腸内のpH は、低いほど便の色は黄色っぽく、pH7.0(中性)を越えると茶色っぽく、pH8.0(弱アルカリ性)になると黒っぽくなります。

赤ちゃんのpH は4.5~5.5(弱酸性)で黄色、健康な大人のpH は5.5~6.0 で黄土色です。

さらに善玉菌と呼ばれるラクトバチルス属とビフィドバクテリウム属が増加し、腸内環境に優位な変化があったようです。



便秘の改善

健康な被験者45名を対象とした研究では、ポリデキストロース(8g/日)を摂取したことで、便の重量増加や結腸通過時間が短縮したと報告されています。

ポリデキストロースのような食物繊維は「プレバイオティクス」と呼ばれ、腸内細菌などのエサになり腸内環境を整える効果があります。

一方、ビフィズス菌などの菌を含むヨーグルトや漬物や納豆、みそなどの発酵食品を「プロバイオティクス」と呼びます。

近年では腸内フローラのバランスを整える生きた菌であるプロバイオティクスと、腸内の有用な菌の餌となるプレバイオティクスを同時に摂取することで、より効果的に腸内環境を改善し、健康増進に役立つと考えられています。

これをシンバイオティクスと呼びます。

便秘患者を対象とした研究では、通常のヨーグルトとポリデキストロース入りヨーグルトを比較した結果、1日あたりの排便回数に変化はなかったものの、通常のヨーグルト群と比較して結腸通過時間が短縮したと報告されています。

血糖値への影響

ポリデキストロースは

ポリデキストロースは砂糖の代わりにチョコレートやクッキーに使われています。

糖質が少ないことからダイエット中の女性や血糖値が気になる方に人気があります。

一般的なチョコレートとポリデキストロース入りのノンシュガーチョコレートを比較した研究では、一般的なチョコレートを食べた場合、食後30分後に血糖値のピークがみられましたが、ポリデキストロース入りのノンシュガーチョコレートでは血糖値の上昇はほとんど認められないと報告されています。

また一般的なチョコレートを食べた後には中性脂肪が上昇しましたが、ノンシュガーチョコレートでは大きな上昇はなかったともいわれています。

これはポリデキストロースによって消化管での脂肪の吸収が、抑制された為ではないかと考えられています。

しかし別の研究では、ポリデキストロースを摂取しても血糖値や中性脂肪、コレステロールに変化はなかったという報告もあります。

なのでノンシュガーチョコレートであっても食べすぎには注意が必要です。



まとめ

ポリデキストロースは人工的に作られた食物繊維です。

40年ほどの長い間使われているので安全性は高いと考えられています。

低カロリーで使いやすい為たくさんの商品に使われています。

しかし人工的に作られた食物繊維に偏ってしまうことは良くないという意見もあるのが現実です。

食物繊維は穀物や野菜、果物などに豊富に含まれているので、毎日の食事に食物繊維を豊富に含んだ食品を摂り入れることも忘れてはいけません。

 











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